相続における寄与分とは?認められる要件
被相続人の生前に、介護や家業を行った場合、その分を遺産分割に反映させたいと考える方もいらっしゃるかと思います。
今回は、相続における寄与分とは何か、認められる要件について解説します。
相続における寄与分とは?
寄与分とは、相続人のうち、特定の相続人が被相続人の財産の維持または増加について、特別の貢献をした場合に、その貢献に応じた額を相続分に加算して清算する制度です。
この制度の目的は、法定相続分や遺言の内容だけでは、被相続人の財産形成に大きく貢献した相続人が不公平な扱いを受けることを避けるため、相続人相互間の実質的な公平を図ることにあります。
寄与分は、被相続人の死亡によって自動的に認められるものではなく、相続人同士の話し合いである遺産分割協議で合意するか、または家庭裁判所に調停や審判を申し立てて決定してもらう必要があります。
寄与分が認められる要件
家庭裁判所が寄与分を認めるためには、その貢献が一般的な扶養義務の範囲を超え、特別の寄与であったと認められる必要があります。
寄与分が認められるための主要な要件は、以下の3つです。
被相続人の財産の維持や増加に貢献した
寄与分として認められるためには、その行為が、被相続人の財産の維持または増加に具体的に貢献した事実が必要です。
たとえば、本来であれば高額な介護費用が必要であったにもかかわらず、特定の相続人が献身的な介護を行った結果、その介護費用支出が不要になった場合などが該当します。
単に相続人の生活を助けるための行為ではなく、財産自体に貢献したという具体的な因果関係が求められます。
寄与行為が無償であったこと
貢献した行為が寄与分として評価されるためには、その行為が無償であったことが必要です。
被相続人の事業を手伝った対価として、給与や報酬を受け取っていた場合は、その貢献は寄与分としては認められません。
無償性または低い対価での貢献があったことが、特別の寄与として認められるための重要な要件となります。
扶養義務の範囲を超えている貢献であること
相続人同士は、民法上の規定に基づき、互いに扶養し合う義務があります。
したがって、通常の扶養義務の範囲内で行われた行為は、特別の貢献とはみなされず、寄与分は認められません。
寄与分として認められるためには、その介護や療養看護、あるいは財産形成への協力といった行為が、通常の親族間の扶養義務の範囲を明らかに超えていることが必要です。
まとめ
今回は相続における寄与分とは何か、またその要件について解説しました。
寄与分は、当然に発生する権利ではなく、意思表示を行わないと請求することができません。
手続きや交渉に不安がある場合には弁護士に相談することをおすすめします。










