過払い金の消滅時効はいつ?過ぎてしまった場合の対処法とは
◆消滅時効とは
消滅時効とは、一定期間権利が行使されない状態が継続したときに、その権利の消滅を認める制度です。
一定の期間とは、権利が行使できることを知ってから5年間行使しないとき、もしくは権利が行使できる時から10年間行使しないときのいずれかです。
◆過払い金の消滅時効
過払い金請求における「権利が行使できるとき」とは、最後に借入・返済をした日となります。
最後に借入・返済をした日から10年、または権利が行使できることを知ってから5年が経過すると、時効で過払い金支払い請求の権利が消滅してしまいます。
もう少し具体的な例で解説をしたいと思います。
もし2022年4月1日に借入を全て完済し、その後に貸金業者との間でまた新たな借入や返済がなかった場合には、10年後の2032年4月1日に消滅時効が成立します。
ここで皆さんが気になるのは、上記のように新たに借入・返済をしたケースでは、2022年4月1日以前の返済で支払った過払い金については取り戻せないのではないかということでしょう。
過払金の計算は、原則として全ての取引が対象となるため、一度完済し、しばらく貸金業者と取引がなかった場合であっても、最後の取引から10年もしくは5年以内であれば、過払金を全て取り戻すことが可能となっています。
ただし、これは両者の取引が一連のものであると判断された場合のみです。
2つの取引の期間があまりにも空いているような場合には、取引が分断されていると判断され、1度目の取引の過払い金を取り戻すことはできません。
◆消滅時効の期間が過ぎてしまったかもしれないと思ったら
消滅時効の期間を過ぎてしまったかもしれないと思っても、実際には消滅時効が成立していない場合があります。以下のようなケースにおいては過払い金を取り戻せる可能性があるため、自身の取引の履歴をしっかりと確認しておくことをおすすめいたします。
・借金を返済中である
10年以上前に行った借入であっても、現在も継続して返済をしている場合には、いまだに取引が続いているということになるため、時効は成立しません。
しかし、途中で返済を放棄し、滞納が続いているような場合には、最後の返済日から10年が経っていれば時効が成立してしまいます。
・返済と完済を繰り返している
ひとつの貸金業者から継続的に借入を繰り返している場合には、1度目の借入を完済してから10年が経過していても、2度目の借入の最後の取引から10年が経っていない場合には、一連の取引とみなされて過払い金請求をできることがあります。
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